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銅合金ファスナーについて
最近、各分野で使用素材や仕上加工の方法が多様化してきています。ご使用いただく材料によりますが、銅合金ファスナー(丹銅、真鍮、洋白)のエレメントスライダーが変色したり、生地布への移染を起こすことがあります。

金属の変色
銅合金は一般に酸、アルカリ、酸化剤、還元剤、硫化物等の薬品に反応し、変色することが知られています。
お客様がお使いになる生地等の素材にこの種の成分が多く含まれている薬品が残留している場合は務歯、スライダー、上下止の金属部分に反応して変色を起こしやすくなります。これらの反応は、高温多湿の場合に起こりやすく、例えば製品縫製後にスチームアイロンをし、すぐにポリ袋にて包装して長期間保存した時に起こりがちです。中でも反応性染料を使用した生地と銅合金は、化学反応を起こしやすくなります。また、硫化染料等による銅合金の変色は以前から指摘されている通りです。
■ウールや綿製品の洗い加工による変色
漂白したウールのニット製品に銅合金ファスナーを使用した時に、ファスナー部分が変色することがあります。一般にウールを漂白加工する場合、次の三つの方法で処理されます。
1.
酸化漂白剤による加工(過酸化水素等)
2.
還元漂白剤による加工(ハイドロサルファイト等)
3.
仕上工程で防縮加工に塩素処理(塩素系酸化剤)
特に2.3.での処理後の洗浄や中和が不十分であった場合、製品仕上がり後にガス(塩素ガス・亜硫酸ガス等)が発生する恐れがあります。また、湿気がある場合は直接金属に作用します。例えば、プレス後すぐに袋詰めして放置しますとこれらの薬品・ガスによって銅合金ファスナーの務歯、スライダー、上下止が変色する恐れがあります。
対策

生地布は十分に洗浄・乾燥したものをお使いください。

製品仕上のプレス後、包装までの時間を十分に取ってください。
■皮革製品での変色
皮革のなめし工程で使用されるなめし剤や酸類の残留により変色を起こす場合があります。皮革のなめし工程では硫酸等の鉱酸やクロム化合物タンニン酸、アルデヒド化合物等のなめし剤が使用されます。皮革は動物性タンパク質が主成分で、処理した薬液の除去はしにくく多量に残留している場合があり、金属ファスナーと接した時、時間の経過に伴い、湿度の影響から変色を起こすことがあります。
対策

皮革製品のなめし加工後の洗浄・中和を十分に行った材料を使用してください。
■エレメント部分の変色(高温・多湿72h)

テスト前

テスト後



金属ファスナーによる生地布への移染
■酸性物質、酸化剤等の残留による変色
丹銅材の茶染(GKB)・黒染(GK)ファスナーを使用される際、生地布や材料に酸性物質・酸化剤等が残留していると染色や仕上加工の際にファスナーの金属部分との化学変化を起こしやすくなります。
また、縫製処理あるいは、保存の際に上記の物質が残留していると生地の変色の危険性があります。特に白や淡色の生地布との接触部を汚すことがあります。
対策

素材、生地布は処理後の洗浄・乾燥を十分に行ったものを使用してください。
■パラフィンの移行
金属ファスナーの務歯部には摺動性をよくするためにパラフィンを塗布しています。
防水加工・撥水加工の生地布に使用され、縫製後のアイロンプレス仕上げの際、加熱によってパラフィンが溶解し、衣料生地布へシミ状に移行することがあります。
対策

ファスナーに直接接する部分に合紙または布をはさみ、アイロンプレス仕上げを行ってください。
■反応性染料で染色した縫製品の色抜け及び変色
綿製品の後染め等で用いられる反応性染料には、金属イオンが含まれることがあります。
多湿な環境において染料自体が変質して金属ファスナーに用いられる銅合金と反応し、生地全体の色抜けあるいは変色を発生させることがあります。
対策

後染めの場合十分な乾燥を行い、製品自体の保存はビニール袋等での密閉を避け、風通しの良い湿気の少ない場所で保管してください。

製品を展示・陳列の場合も同様に多湿な環境を避けてください。
■生地布の変色(高温・多湿72h)

テスト前

テスト後



ご注意
変色・移染の対策としては製品の十分な洗浄と乾燥・保管条件の注意が必要です。後染めなどの場合、事前の使用試験を十分に行い、ファスナーの変色、生地移染について調査することが大切です。
YKK(株)としては、これらの諸条件にも影響の少ない方策の研究開発を進めておりますが、現状ではこの様な特殊ケースにおいては、どうしても皆様方のご協力に頼らなければなりませんので、十分なご理解をお願いすると共に、それぞれ注意項目を守ってくださるようお願いいたします。

耐食性が懸念される特殊な場合には、“ビスロン”ファスナー、コイルファスナーのご使用をおすすめいたします。
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